近年、多くなってきている病気の一つに認知症がある。
認知症にはこれが必ず効くといったような特効薬がないのだ。
しかし、進行を遅らせることや予防、そして、病気自体を軽減したりすることは可能である。
だが、やはり完治することができない。
そういったことで現在では認知症は社会問題となっている。
では、少しでも認知症のケアや予防をするためにはどうしたら良いのだろうか?
認知症とは?
認知症とはそもそも脳の萎縮によって発症するものとなる。
そして、それは判断力や記憶力、集中力が落ち、物忘れを引き起こすことになるわけだ。
つまり、脳が衰え、機能しなくなることから引き起こされる。
ということは脳を鍛えたり活発化させたりしなくてはならないということになる。
そのために有効なこととして挙げられていることがある。
それはアロマ療法や音楽療法などが様々なメディアでも多く取り上げられているのだ。
この二つには共通点があり、その共通点とは人間の五感を刺激するということになる。
認知症に効くアロマ療法と音楽療法
◆アロマ療法には、主に嗅覚を刺激する。
認知症の方は嗅覚自体がかなり衰えている方も多いのだ。
それは良い香りがしてもわからないのではないかといわれることもあるだろう。
しかし、それはローズマリーやレモン、ラベンダーなど、その香りそのものではないのだ。
実はそれらの成分が鼻を刺激し、鼻のとおりをよくすることになる。
香りを感じることが非常に重要なのだ。
例えば食事をしていても、においがしなければ食べた気もしない。
それでは食べる楽しみも損なわれる。
そして、その”モノを食べる”という動作自体が苦になることにもつながるのだ。
香りが感じられることで、脳に食べ物を認識させ、食べて「美味しい」などの感情をもたらすことが活性化につながることになるのだ。
◆音楽療法は聴覚を刺激する。
上記のアロマ療法と同様に、楽しい音楽を聴くことで、脳に「楽しい」「懐かしい」などの感情を呼び起こし、脳を刺激する。
例えば、かつて美空ひばりさんが好きだった方にその歌を聴かせる。
そうすることで、脳が懐かしい記憶を認識し、反応したりする。
たとえご本人は思い出せなかったとしても、自然と口ずさんでいたり、体が覚えていて、笑顔があふれたりするのだ。
他にも、
視覚を刺激するために映画を鑑賞したり、
触覚を刺激するためにスキンシップを多く取ったり、
味覚を刺激するために味がはっきりとした辛いものやすっぱいものを食べてもらったりするなど、
五感を刺激することは非常に効果的で、実際に介護施設などでも取り入れられているのだ。
以上のように、アロマ療法、音楽療法など五感を刺激し、脳を活性化させ、認知症の進行を防ぐ方法を紹介してきた。
もっとも有効な認知症を改善する方法
しかし、実は五感のほとんど使う、一番有効な方法があるのだ。
それはコミュニケーションをとるということ。
アロマ療法も音楽療法もそうなのだが、誰かが一緒にやらなければできないことだろう。
それは誰かとコミュニケーションをとることで、聴いたり話したり考えたりすることになる。
五感をフルに使っているということになる。
そして相手と対話することになる。
それは脳が一気に活性化され、認知症の方の「喜び」や「楽しみ」といった感情を生み出すことになる。
それが記憶へとつながるのだ。
認知症のケアは難しく、家族で介護は行う場合も大変だというイメージを持たれる方も多いだろう。
しかし、アロマや音楽を一緒に楽しむことでコミュニケーションをとることから気軽にはじめてみることが可能なのだ。